リサイクル幻想

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2000/07/22(土)
リサイクル幻想 (文春新書)リサイクル幻想
(2000/10)
武田 邦彦 (文春新書)
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再生ペットボトルは新品より三倍以上資源をムダ遣い! いまのリサイクルにどんな無理・矛盾があるのか、科学者からの批判と提言

【商品の説明】
リサイクルをはじめ「循環型社会」「持続性のある文明」などの新しいパラダイムは、全体を俯瞰し、統合する理論と思想を伴わなければなりません。もし、それらなしに目の前の波だけを見て舵をきれば、航海士と船長を失った船のように大洋をさまようことになるでしょう。本著では「来るべき循環型社会とは何なのか」を明らかにし、二一世紀の日本には「環境問題は大切だが、不景気もイヤだ」というジレンマが存在しないことを示します。

【目次】
1 なぜリサイクルが叫ばれるのか
2 今のリサイクルは矛盾している
3 リサイクルから循環型社会へ
4 「分離の科学」から労力を知る
5 「材料」と「焼却」の意味を知る
6 来るべき循環型社会を考える

【商品の詳細】
# 新書: 190ページ
# 出版社: 文藝春秋 (2000/10)
# ISBN-10: 4166601318
# ISBN-13: 978-4166601318
# 発売日: 2000/10
# 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm

【カスタマーレビュー】
読者口コミ評価・感想リサイクルの実現性について本質的な議論を展開
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」で有名になった著者の前作(H12)である。
循環型社会を実現していくためにはリサイクルが必須である。現在、リサイクル技術の開発や、リサイクルシステムの構築が試みられている。しかしながら、本書は「現在考えられているようなリサイクルシステムを有する将来社会というものが成立するのか」という本質的で根本的な問いかけに答えようとする本である。一般的な感覚として、現在のリサイクル技術やリサイクルシステムではリサイクルは経済的に成立しない。しかし、リサイクル技術が開発されたり、リサイクルのシステムが一旦構築されれば、循環型社会は実現される、という期待を持っていると思う。しかしながら、本書では、工学(有益な物質:資源の濃縮に用いられる分離工学)という客観的な手法を用いることで、リサイクルが本当に環境や資源問題に対する有効な手立てとなるのか?という問いに取り組んでいる。分離工学による検討では、リサイクル技術やシステムは確立されているという理想的な状態を仮定した時でさえ、現在目指しているリサイクルシステム(資源ごみの中に希薄な濃度で含有されている有用資源を分離濃縮して取り出すこと)は成立しない。一方で、著者は、4つの解決案を提示している。それぞれ、今までとは異なる発想や概念が含まれているため、直ぐには受入れ難い部分があるが、その中の一つの「人工鉱山」が一番実現性があろう。これは、まず、廃棄物を燃焼して有機物からエネルギーを取り出し、残った灰を埋め立てて人工鉱山にするものである。そして、金属資源が枯渇し始めたら、備蓄した人工鉱山から有用な金属資源を採掘する、というものである。現在、PCや携帯の廃棄物から、金などの貴金属やレアメタルを取り出すことが行われているが、これは本書で著者が提言した、人工鉱山コンセプトと言えるのではないだろうか?

*読者口コミ評価・感想武田先生の原点
武田先生の原点というべき本です。今、読み返してみると「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」及び「その2」よりもリサイクル問題については、遙かに丁寧に論じられていることに気がつきます。
リサイクルの矛盾については
 使えば劣化する矛盾
 「下位の用途」がない矛盾
 国際分業を否定する矛盾
 「月給」でなく「遺産」を使う矛盾
 資源をかえって浪費する矛盾
 正反対の価値観が両立する矛盾
 毒物が混入する矛盾
等、7つに分け説明しています。すべてが完全に正しいというよりは、全体としてリサイクルには大いに疑問あり。という姿勢は充分納得でます。私は基本的に、武田先生の細かいミスをあげつらうのではなく、疑問について学識者の方々メデイアの方々等に良く研究して頂き、議論を深めて欲しい。という立場から支持しています。

読者口コミ評価・感想なんのためのリサイクルか
現在行われてるリサイクルがいかに無理であるかを主張している。空き缶をリサイクルすると回収、分離などで時間、金、そしてなにより石油等の別の資源を消費する。これでは本末転倒である。
著者はまた分離の難しさについても述べている。混ざってしまったものをひとつ残らず分離するのがどれだけ苦労するか。新しく作ったほうが早いしコストもかからない、そして別の資源の使用を削減できる。またリサイクルではなく現存の品を有効に長く使うことも主張している。石油を燃やしてエネルギーを得るのではなく、使わなくなったプラスチック等を燃やしてエネルギーを得るというのは非常に納得できる。ただ、著者はリサイクル自体を反対しているわけではない。今の明らかな無理があるようなリサイクルを反対しているのだ。ではこの矛盾だらけのリサイクルをどうすればよいのか?まず著者はリサイクルをどのようにとらえるべきかを述べている。それは現在の生活レベルを落とさないこと。今だけでない将来のことを考えること。リサイクルは最終手段で、それよりも有効に、長く使うこと。である。この3つは非常に考えさせられた。これらを考慮した結果どうするかというと、ひたすら燃やしてエネルギーを得るというのだ。さすがに言いすぎかと思うが、詳細は読んでみて欲しい。なお、そのときにでるダイオキシンについても詳しく述べており、ダイオキシンについての誤解を知ることができる。

読者口コミ評価・感想ちょっと前の本だが、読む価値あり
ちょっと前の本だが、その重要性は変わらない。いや、当時よりもさらに「リサイクル」「エコ」などといった言葉が言われるようになっている今、ぜひ読んでおきたい本だ。決して読みやすい本ではない。専門用語は多いし、文章自体もそれほど平易とは言えない。学術的な、結構マニアックな解説も多い。しかし、「そもそも金属とは何か?」「石油から別の物質が作られるというのはどういうことか?」といったようなことはなかなか知る機会がないために、ちゃんと読み込めば読み込むほど、知的好奇心を満たしてくれる。そして、そうした基礎知識を得た上で「リサイクル」というものの虚像について丹念に説かれているため、説得力は抜群だ。本書の最後で著者の提示する解決方法が、本当に現実味のあるものなのかは、なにしろ専門知識がないからなんとも言えない。だが、「ゴミを分別すればいい」「ペットボトルはもう一度ペットボトルとして再利用できる」といった我々の「常識」を打破してくれる、非常に刺激的な本である。

読者口コミ評価・感想先入観を排して環境問題を考えよう
自然科学的なものの見方の基本を確認しつつ、中学生や高校生でも問題意識がありさえすれば十分に内容が掴めるよう、著者は非常に心を砕いて下さっています。著者の主張は「世間常識」からは大変かけ離れたところにありますが、自己の主張を通すのに過激で扇情的な言葉を使うことをせず、冷静で暖かな筆運びに徹しているところも共感できます。先入観を排して環境問題を真剣に考えたい人たちには、ぜひ読んで頂きたい、お勧めの一冊です。

読者口コミ評価・感想循環器社会
循環器社会というのは実は農業あるいは花つつくりでは社会ではないがすでにあるわけです。
苗をそだて食欲にまわし少しだけとっておく花がさき種ができまた、蒔くというはなし。しかし、これの最後もあわれです。やはり病原菌に連作は負けるのですね。たしかにわたしも物をあまり持たない生活に近い生活をしていますが何にもかわないとリサイクルストレスになりかねません。ひじょーにおもしろい本です、一読推薦。

読者口コミ評価・感想シンプルに生きよう。そう思った。
学校で化学を学んだことのある人間ならきっと覚えている「質量保存の法則」。これを久々に新鮮に思い出させてくれる。リサイクルだなんだと色々とやっているが、結局元々あるものの総量は変わらない。ものをそのまま捨てるより、「加工」であれ、「リサイクル」であれ、手を加えることでエネルギーを消費してしまっていることの方が問題なのだ。そう教える。実際何をするにもエネルギーを消費する。例えばゴミを処理するとき、僕はゴミを一所にまとめる。そのとき僕の体は運動するので、いくらかのエネルギーを消費する。そして僕が出したゴミは回収業者の方が回収してくれる。そのときトラックを使えば、トラックはガソリンを消費する。最後に筆者の提言があるが、僕はこう思った。余計なものは買わずに、シンプルに生きようと。

読者口コミ評価・感想リサイクルする必要などない
著者は過去にも、現在の日本のようなリサイクル活動がかえって資源を浪費しているという事実を指摘しているが、その延長戦にあるのが本書である。ちょっと知恵のある人は、リサイクルのために走り回るトラックや、分別の人間の労働、精神的な負担、さらには資源の再利用というものが、全体でどれだけの人間の無駄な活動を増やしているのかを疑っているだろう。著者の結論は、分別もリサイクルもやめて、すべてを燃やして発電し、その残りの灰は未来への人口鉱山とせよ、というシンプルなものである。これはわかりやすい上に、エネルギー的に見てプラスチックの含むカロリーなどからしても、従来の石炭・火力発電に加えるものとして納得がいく重要な提言である。ドイツや日本でもゴミをペレットにして発電し始めているが、さらに大規模に行うべきだろう。しかし、材料工学の専門家である著者は、地球に残存する化石エネルギーや金属の埋蔵量が有限であるという仮定に基づいて、将来世代のためのゴミ灰の人口鉱山の作るのが良いという。しかし、サイモンやロンボルグの著作を待つまでもなく、事実は資源は実質的・経済的にに無尽蔵に埋蔵されている。つまり、すべて燃やして、発電した後は、埋め立てにでも使うべきだということになるだろう。あと、最終章で著者は、長く使う美学を推奨するが、そもそも人間の作る工業製品で30年前のものと現在のもので同じような価値を持ち続けるものがあるだろうか?技術の変革は速いので、10年でスクラップにするというのは、機能主義的な合理性を持っているのではないだろうか。よって僕の納得する地球環境主義者は、リサイクルする人たちではなく、使わない・買わないという人たちだけである。


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タグ : リサイクル 循環型社会

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